PER(株価収益率)とは
PERとは「Price Earnings Raito」の略で、英語を直訳するとPrice(株価)、Earnings(収益)のRatio(割合)となります。その為、日本語で株価収益率と呼ばれています。株式投資をする方なら必ず知っておくべき指標の一つです。
PERは、株価の割安度を計る指標で、今現在の株価は会社規模に対して割安か、割高なのかを見極めるために使用されています。
本指標では、それぞれの企業を会社規模に関係なく同じ基準で比較することが可能です。PERは「株価 ÷ EPS(1株当たり利益)」で求めることが可能で、株価と企業の収益力を比較することで企業(株式)への投資価値を判断する材料になります。
その為、PERは「株価は1株あたり利益の何倍にあるか」を示す指標だと覚えるといいでしょう。
PERが低いほど株価は割安、PERが高いほど株価は割高であると判断できます。仮にPERが10倍であれば、純利益の10倍まで買われていることになり、投資資金の回収までに10年かかるという見方になります。
PERは下記計算式でも求める事ができます。
・PER(株価収益率)= 時価総額 ÷ 純利益
(= 株価 ÷ 1株あたり利益)
※時価総額は、株価 x 発行済み株式数を指します。
PERで割安度をチェック
PERは業種によって平均値が変わりますが、一般的な標準値は15倍といわれています。その為、PERが15倍以下なら株価が比較的割安状態にあるということになります。
業界によって平均値が異なる理由としては、業界毎に成長力や安定性などに差があることで生まれます。一般的にIT関連の銘柄は成長期待が強くなる傾向があり、PERが50倍、100倍以上になることもあります。
あくまで東証一部の平均PERが15倍と覚えておくとよいでしょう。
PERは絶対的数値ではない
PERは「株価 ÷ EPS(1株当たり利益)」で算出される為、PERの数値が市場の実態を正確に掴めていないことがあります。
例として、1株当たりの利益が極端に低いことが影響してPERが高くなっている企業があります。その逆もしかりで、極端に1株当たりの利益が高いためにPERが低くなっていることもあります。
上記のようなパターンに惑わされない為に、市場全体の平均や業界水準を比較する事が非常に大事になってきます。
業界によって常に割安状態に思える業界もあれば、常に割高状態と思われる業界があるので、市場全体、又は業界内の競合先と比較して判断すると良いでしょう。
平均から大きく乖離したPERの企業には要注意
PERの仕組みから考えられる通り、平均から大きく乖離したPER企業には投資リスクがあります。
非常に高いPER企業の場合、現在の企業価値ではなく将来への成長性を元に買われて、株価が上昇している事になります。
「高PER = 成長性がある」という法則も成り立ちますが、あまりに高くなると割高感が出てくるため、株価が下がっている可能性があります。IT企業のようなPERが非常に高い銘柄は、成長に曇りが出始めると急落するリスクがあります。
逆にPERの低い銘柄は、「企業の収益力に対して割安である」といえますが、PERが非常に低い企業はそれ相応の不安要素がある可能性が高いです。
企業業績や将来性など不安要素がある場合、その株式を購入する人は必然的に少なくなりますからね。
PERと合わせて覚えるべき指標
下記2つの指標は、PERとセットのようなものなので3つまとめて覚えておくと良いでしょう。
PER(株価/EPS)
ROE(EPS/BPS)
PBR(株価/BPS)
自身のトレードスタイルに応じて、これらの指標を活用しましょう。