移動平均線とは
移動平均線(Moving Average)とは、一定期間における価格の平均値を表したものです。
移動平均線は昭和30年代後半に日本に伝わってきたもので、現在株価や為替レート等の相場の方向感をつかむために使用されるトレンド系投資指標(テクニカル分析)として、最も多く使用されている指標です。
元々米国のチャート分析家J・E・グランビルが統計学の移動平均法を株価動向の測定基準として導入し、200日移動平均線を紹介したことで初めて世の中に普及されました。
多くの人に意識されている指標であるほど指標として機能します。
FXや株取引を行う方であれば、確実に移動平均線の知識と使用方法をマスターしておく必要があります。
本記事では移動平均線とは何か、移動平均線の種類とその役割、移動平均線の使用方法を紹介します。
移動平均線の構成(計算)
移動平均線は一定期間の終値の平均値をつなぎ合わせて線にしたものです。
移動平均線にはいくつもの種類がありますが、移動平均線の基本構成を理解することで様々な種類の移動平均線に応用が効きます。先ず、5日移動平均線を例にして説明します。
5日移動平均線とは、直近5日間の終値の平均値を1日ずつずらして繋げ合わせた線です。
言葉だけでは理解が難しい為、下記にて実際に作成してみます。
1日目の100円から5日目の115円までの5つの数値の平均を算出すると112円になります。
その5日目間の平均値である112円を5日目の点にします。この112円が移動平均線の初めになります。
同様の方法で1日ずつずらしながら計算します。
2日目から6日目までの終値の平均値を算出すると、116円になります。
これを6日目の点として、前日の平均値112円と繋げると線が出来ます。
上記方法で繰り返し算出した線が5日移動平均線となります。
下記が実際の5日移動平均線のチャートです。
ローソク足に絡むように線が描かれています。
計算方法が分かることにより直近の5日間の平均に対して現在の為替レートがどの位置にあるかを確認し、移動平均線をトレードに生かしましょう。
移動平均線の種類
これまでの説明で移動平均線の構成が理解できたと思いますが、移動平均線には様々な種類があり、代表的なものがどのようにチャートで機能するかを覚えましょう。
5日移動平均線
上記で例として説明をした5日移動平均線ですが、短期的なチャートの動きを図るために使用します。
この移動平均線の上で為替レート(株価)が推移するかどうかによって、相場の勢いを確認することができます。
25日移動平均線
直近の25日間の終値を平均値化した線です。
為替レートや株価の短中期的な流れを確認することができます。
25日移動平均線はスイングトレードでの使用に適してるといわれてます。
75日移動平均線
直近の75日間の終値を平均値化した線です。
25日移動平均線と合わせて使用されることが多く、25日線と75日線のクロスで為替レートや株価の転換点を確認することができます。
75日は一般的に中期的な目線の相場の流れを確認できる移動平均線として使われています。
上記3つの移動平均線は、最も一般的な移動平均線となります。
他にも200日移動平均線や13週移動平均線、26週移動平均線も多くの方に使用されているといわれており、長期的な相場の状況を確認できます。
移動平均線の重要な役割
これまでの説明で移動平均線がある一定期間における値動きを平均値化して、その平均値をつなぎ合わせたもので構成されているということが分かったと思います。
移動平均線の見方としては、平均線の上に為替レート(株価)があると現在の為替レート(株価)は上昇しており、逆に線の下にあると現在の為替レート(株価)は下降していることになります。
移動平均線と為替レート(株価)の位置関係から相場全体について下記3つの事が分かります。
1.為替レート(株価)の大まかな流れが分かる。
2.為替レート(株価)の現在の値が高いのか安いのかが分かる。(上昇or下降)
3.為替レート(株価)の値動きを予測可能にする。
移動平均線で何が分かるか?という疑問はこれで解決されると思います。
移動平均線の応用
ここでは、一般的に多くの人が使用している移動平均線を用いた投資方法を紹介します。
・日足の移動平均線の使用法
・ゴールデンクロス&デッドクロス
・移動平均乖離率
・グランビルの法則
・ボリンジャーバンド
上記5つの投資方法はトレードを行う方にとって必須項目といえるものなので、これらは確実に覚える様にしましょう。
ぜひ移動平均線を活用して収益UPをしてください。