プラチナ(白金)の基本情報
本コラムではプラチナの基本的な情報から先物取引での投資に役立つ情報を紹介します。
コモディティ(商品)先物投資では、その商品について細部にわたって知識が必要となります。
初めにプラチナの使用用途からお伝えしていきます。
プラチナは一般的に宝飾品で使用されているイメージが定着していますが、プラチナの用途としては工業用が大半を占めています。
工業という一括りの中でも幅広く使われており、自動車や化学、電気、電子、ガラス製造等の分野で多く使用されています。特に自動車産業関連の製品に多く使用されているので、世界の自動車産業動向の影響を最も受けます。
プラチナの特性は、高耐腐食性、高耐酸、耐アルカリ性、高耐久性、高融点があるので、自動車部品のような悪環境で長期間使用される物に使用されています。
世界のプラチナ年間産出量
下記グラフは、2016年のプラチナ産出量と主要国の割合を示しています。
出典:U.S.Geological Survey – Mineral Commodity Summaries
1位:南アフリカ 70%(120トン)
2位:ロシア 13%(23トン)
3位:ジンバブエ 8%(13トン)
4位:カナダ 5% (9トン)
5位:米国 2% (3.9トン)
その他: 2% (3.4トン)
合計:172トン
世界全体の2016年年間産出量は、約172トンでしたが、南アフリカとロシア、ジンバブエで約9割を占めています。特に南アフリカとロシアで全体の8割以上を占めているので、プラチナ市場の動向を知る上では非常に重要な国となります。
プラチナ年間産出量推移 2001年~2016年
これまでの説明の通り、レアメタルであるプラチナは南アフリカとロシアの供給に依存しています。
下記グラフは、2001年~2016年の南アフリカとロシアの年間産出量推移です。
出典:U.S.Geological Survey – Mineral Commodity Summaries
南アフリカとロシアを除いた産出国の年間推移は下記となります。
出典:U.S.Geological Survey – Mineral Commodity Summaries
上記グラフで目立つのは、2006年から主要国の仲間入りをしたジンバブエです。2006年時は年間産出量5.1トンだったのが、2016年では13トンと右肩上がりで上昇しています。
その他に北米は昔から安定的にプラチナの産出を行っています。
プラチナ(白金)への投資時に注視する事項
プラチナ先物取引やETF投資を行う時は、下記事項の情報を常に把握しておく必要があります。
・世界の自動車生産台数
・世界の宝飾品需要
・鉱山会社の動向
・南アフリカやロシアの情勢
・プラチナETF残高
・投機マネー
需要としては、中国やアメリカ、日本の情報収集は必須となります。
プラチナの先物取引は人気が高い為、ボラティリティーが広くデイトレードでも十分に取引が行えるコモディティ(商品)です。
本コラムに記載されている情報を投資に役立てて頂ければと思います。