それぞれの干支には相場の格言がありますが、果たして本当に合っているかを検証してみました。
対象期間は、それぞれの干支で4年分を確認出来るように1971年から2018年を対象として、各年の大発会の始値と大納会の終値を比較しました。
面白い結果が出たので、最後までお楽しみください!
それぞれの干支の相場格言とは
干支の相場格言で最も有名なものが「辰巳天井、牛尻下がり」だと思います。
これは辰年と巳年に株価が天井に達して、午年は下落するという意味です。
この他にもそれぞれの干支には相場の格言があるので、先ずは各干支の特徴を紹介します。
子(ね):繁栄
丑(うし):躓き(つまずき)
寅(とら):千里を走り
卯(う):跳ねる
辰(たつ):天井
巳(み):天井
午(うま):尻下がり
未(ひつじ):辛抱
申(さる):騒ぐ
酉(とり):騒ぐ
戌(いぬ):笑い
亥(い):固まる
このように相場の世界には様々なアノマリーが存在します。
(アノマリー:根拠はないけど傾向として現れること)
相場の市場では、各月でも変動傾向があるのでぜひ別記事もチェックしてみてください!
ここから本題に戻りますが、先ずは対象期間である1971年~2018年9月までの日経平均株価推移グラフをご覧ください!
この推移を元に各干支の相場状況について確認してもらえればと思います。
子年の株価アノマリー 相場格言は「繁栄」
子年は繁栄の年と言われているので、株価が上昇する傾向があると言われています。
詳細をグラフと共に確認していきましょう。
成績 | 2勝2敗 |
1972年 | 92% |
1984年 | 16% |
1996年 | -6% |
2008年 | -40% |
平均騰落率 | 15.6% |
平均騰落率が15.6%とプラスになっていますが、勝率は2勝2敗と何とも言えない成績です。
各年の騰落率を確認すると1972年が92%と驚異的な上昇率となっており、この92%という数値が全体の平均騰落率を上げていることになります。
勝率は2勝2敗という点で、繁栄のアノマリーは傾向としては芳しくない結果となりました。
丑年の株価アノマリー 相場格言は「躓き」
成績 | 2勝2敗 |
1972年 | -17.70% |
1984年 | 13.46% |
1996年 | -21.53% |
2008年 | 16.62% |
平均騰落率 | -2.29% |
相場格言の通り、若干躓いているような結果となりました。
各年の変動率が13%以上となっているので、平均的に大きく動く干支という印象を受けますね。
寅年の株価アノマリー 相場格言は「千里を走り」
成績 | 1勝3敗 |
1972年 | -10.38% |
1984年 | 42.36% |
1996年 | -7.45% |
2008年 | -4.00% |
平均騰落率 | 5.13% |
寅年は非常に興味深い結果で、勝率が1勝3敗にも関わらず平均騰落率が5.13%とプラスとなっています。
1986年の上昇率が42.36%と、やはりバブル前の年は尋常ではない伸び率になることが分かります。
平均騰落率を指標とすると、格言通り上昇となりますがバブル時を除くと、勝率でいうと負け越しているので、素直に格言通りとは言えない結果となりました。
卯年の株価アノマリー 相場格言は「跳ねる」
成績 | 3勝1敗 |
1972年 | 15.39% |
1984年 | 14.58% |
1996年 | 41.13% |
2008年 | -18.68% |
平均騰落率 | 13.11% |
格言通り、勝率と平均騰落率共に跳ねています。
格言は2011年以前から言われてきたものなので、直近の2011年を除くと完全に上昇年となり「跳ねる」という格言が作られた理由が理解出来ます。
辰年の株価アノマリー 相場格言は「天井」
成績 | 3勝1敗 |
1972年 | 13.35% |
1984年 | 42.15% |
1996年 | -27.45% |
2008年 | 21.44% |
平均騰落率 | 12.37% |
辰年もパフォーマンスが非常に良く、平均騰落率と勝率共にプラスとなっているので、格言通りと言えますね。
ただ天井が二年間続くので、次の巳年が気になるところですね。。
巳年の株価アノマリー 相場格言は「天井」
成績 | 2勝2敗 |
1972年 | -2.67% |
1984年 | 28.67% |
1996年 | -23.00% |
2008年 | 52.42% |
平均騰落率 | 13.86% |
巳年は勝率2勝2敗と五分五分の為、第二の天井という位置づけがしっくりきますね。
平均騰落率は2013年が52%とハイパフォーマンスになっている為、平均値を押し上げている形になりますね、
2013年の株価上昇要因としては、記憶に新しいアベノミクスですね。2013年から買いで入っていた投資家の方々は多くの恩恵を受けた結果となりました。
午年の株価アノマリー 相場格言は「尻下がり」
成績 | 2勝2敗 |
1972年 | 23.29% |
1984年 | -38.40% |
1996年 | -21.09% |
2008年 | 9.69% |
平均騰落率 | -6.63% |
午年は格言の通りと言える成績となりました。
可もなく不可もなく、そして平均値はマイナスという結果です。
未年の株価アノマリー 相場格言は「辛抱」
成績 | 3勝1敗 |
1972年 | 8.74% |
1984年 | -4.51% |
1996年 | 22.53% |
2008年 | 9.33% |
平均騰落率 | 9.02% |
未年は全く格言とは違った結果となりました。
勝率が3勝1敗で平均騰落率も9%と、パフォーマンスは良いと言えます。
どういう理由で「辛抱」という格言になったか謎ですね…
申年の株価アノマリー 相場格言は「騒ぐ」
成績 | 3勝1敗 |
1972年 | 8.48% |
1984年 | -28.89% |
1996年 | 6.13% |
2008年 | 3.60% |
平均騰落率 | -2.67% |
申年は格言とは異なり、落ち着いた印象の結果となりました。
酉年の株価アノマリー 相場格言は「騒ぐ」
成績 | 4勝0敗 |
1972年 | 7.42% |
1984年 | 2.49% |
1996年 | 39.88% |
2008年 | 16.18% |
平均騰落率 | 16.49% |
申年と同じく相場格言が「騒ぐ」となっている酉年ですが、酉年については騒いでいると言えますね。
全ての干支の中で勝率と平均騰落率共に最もよいパフォーマンスでした。
検証期間が4年間と短いので何とも言えないですが、干支の相場格言の中では最も信憑性がある結果となりました。
戌年の株価アノマリー 相場格言は「笑い」
成績 | 3勝1敗 |
1972年 | 3.86% |
1984年 | 13.55% |
1996年 | 5.28% |
2008年 | -2.73% |
平均騰落率 | 4.99% |
2018年は9月まで相場で数値を出しているので、そこまでの結果では「笑い」はあっていますね。
2018年までは全てプラスになっているので、2018年の結果次第で相場格言の信憑性に影響が出るので、プラスで終わってくれると良いですね。
亥年の株価アノマリー 相場格言は「固まる」
成績 | 3勝1敗 |
1972年 | 35.60% |
1984年 | 23.34% |
1996年 | 0.94% |
2008年 | -11.79% |
平均騰落率 | 12.02% |
亥年も相場格言通りと言える結果となりました。
直近の2007年はリーマンショックの年なので、残念な結果となりましたが、1995年前までは全てプラス、且つ1971年と1983年のパフォーマンスは素晴らしい結果となっています。
まとめ
結論として、干支の相場格言を投資判断に活用するのは非常に危険だということが分かりました!(笑)
投資根拠として活用するには信憑性が低いので、あくまで相場の面白アノマリーとして捉えておきましょう。
しかし、下記に記載されている通り、年によっては全勝している年もあるので、非常に興味深い結果もあります。
最も勝率が良かった年
酉年4勝0敗
最も勝率が悪かった年
寅年1勝3敗
最も平均騰落率が高かった年
酉年16.49%
最も平均騰落率が悪かった年
午年-6.63%
皆さんも様々なアノマリーを検証してみると面白いかと思います。
私の方で検証してほしいネタ等有りましたら、ぜひコメント欄から問合せください!