うわ、〇〇万円セルフゴックスした…
このような発言が掲示板やTwitterで時折呟かれていますが、そもそもセルフゴックスとは何を表す言葉なのかを説明したいと思います。
そもそもセルフゴックスとは
セルフゴックス(Self GOX)とは、自身の不手際で暗号資産資産を失う自滅行為の事を表します。
この言葉が暗号資産界隈で流行っている背景には、2011年6月19日に発生したマウントゴックス事件があります。
この事件では、暗号資産取引所であったマウントゴックス社がサイバー攻撃を受け、ハッキング被害によって約75万BTC(当時のレートで約480億円)が消失しました。
この事件をきっかけに暗号資産を消失する事を「GOXする」と言われるようになりました。
このGOXする(消失する)とSelf(自身)が合わさって、自身の不手際で暗号資産を失う言葉として使われています。
セルフゴックスが起きる原因と対策
ここからはセルフゴックスが起きてしまう原因を3つパターンに分けて説明したいと思います。
秘密鍵(パスワード)忘れで起こるセルフゴックス
こちらは王道のセルフゴックスで、暗号資産ウォレットの秘密鍵(パスワード)を忘れることによって暗号資産を失うことになります。
秘密鍵を自分で管理するタイプの暗号資産ウォレットを使っている人は、秘密鍵を忘れた時点で、暗号資産の引出や送金が絶対に出来なくなります。
コールドウォレットと呼ばれるウォレットは、オフラインで保管することによって最もセキュリティ面で良いですが、唯一セルフゴックスで暗号資産を失う可能性があります。
一般的に紙やUSBメモリ内で保管しますが、紙やUSBの消失、水没や色あせ等でセルフゴックスする危険性があります。
対策は言うまでもない程、シンプルなものとなっています。
送金アドレス記入ミスで起きるセルフゴックス
送金絡みでのセルフゴックスは二種類あります。
・送金アドレスを間違える
先ずは、ウォレットの種類を間違えるケースから説明しますが、暗号資産は各通貨で決まったウォレットで保管する必要があります。
例えば、ビットコインをイーサリアムウォレットで保管することは出来ない仕様となっています。
仮にイーサリアム用アドレスにビットコインを送金した場合、ビットコインはGOXしてしまいます。
次に送金アドレスの間違いから起きるセルフゴックスですが、これは単純に送金先アドレスを一文字でも間違えてしまうことで起きてしまいます。
暗号資産を自身のアカウントの取引所間で移動させる時やICO参加時に注意が必要です。
私自身、手数料が安い国内暗号資産取引所で購入し、海外取引所に暗号資産を移すことが多々ありますが、非常に気を付けて送金を行っています。
下記画像は取引所のビットコインを受け取る時の画面ですが、送金元と送金先のアドレスが一致しているかはしっかり確認しています。
当たり前のことですが、疲れている時やお酒が入っている時などに人は思いもよらないミスをするので、気を付ける必要があります。
・どの暗号資産用のウォレットか確認をする
・送金時に送金先と送金元に表示されているアドレスの最初と最後の文字が一致しているか確認する
・新しいアドレスに送金するときは少額でテスト送金を行う
二段階認証用のスマホ紛失
結論からお伝えすると、国内暗号資産取引所を使用していて、二段階認証関連でログインできない状況になっても取引所が助けてくれます。
暗号資産取引所では、暗号資産口座へのログインや送金などを行う時に二段階認証という設定を推奨しており、スマートフォンのアプリで数秒間だけ有効なパスワードを発行する仕組みを指します。
発行されたパスワードを使用してログイン等を行うことになりますが、二段階認証アプリを入れているスマホ端末を水没や破損によって操作できなくなったり、機種変更をしてしまって操作できなくなるケースを耳にします。
このような状況になった場合は、取引所にメール連絡をして身分証明などを行う事によって、二段階認証を解除してもらうことが出来ます。
資産を失うわけでは無いですが、このようなケースになると面倒なので事前に対策をしておくことをオススメします。
二段階認証設定時には、QRコード、及びバックアップ番号が発行されるので、これをしっかりとオフライン保存しておきましょう。
セルフゴックスしたら税金はどうなる
これは少し複雑なケースですが、税金に充てる予定であった暗号資産をセルフゴックスした場合のお話です。
もちろん、セルフゴックスした場合でも税金を支払う義務は発生します。
どのようなケースでそのような事態に陥りますか?
仮に暗号資産取引所で「売買を繰り返して利益を得て」一部をウォレットに保管してセルフゴックスをするパターンですね。
確かにそれであれば「買って売って利益を得た」事実があるので税金の対象になりますね…
このようなケースに陥らないようにするには、トレード(売買)で得た暗号資産の全てを一つのウォレットに保存しないようにする、又は獲得した利益の税金分を日本円にしておくことだと思います。
一番シンプルなのはウォレットに保管する分は、購入してから売買をせずに保管することです。